警察庁は28日、捜査力強化の手法や取り調べのあり方、高度化などを研究する有識者研究会を設置すると発表した。研究会メンバーは中井洽国家公安委員長が人選、委嘱した警察OBや元検事、弁護士のほか心理学などの専門家ら12人で構成。今後、約2年かけて各国の捜査手法を研究するほか、全面的な録音・録画(可視化)を柱に討議を重ね、結論を中井委員長に提出する。
研究会は昨年の衆院選で民主党がマニフェストに掲げた取り調べの可視化の完全実施を前提とし、可視化によって損なわれる捜査力を補う手法を見いだすことが目的。事務局は警察庁内に置き、来月5日に第1回会議を開く。
取り調べの可視化をめぐっては、中井委員長が昨年9月の就任直後から「マニフェスト通り実施する」と明言。一方で、「取り調べ当局にとって犯罪の摘発率を上げ、スピード化できる武器を持たせてあげないと、一方的な全面的可視化だけでは済まない。それが、可視化の前提だ」とも述べ、司法取引の法制化やおとり捜査、通信傍受などの捜査手法の適用拡大を含め、「新しい捜査手法」の導入についても前向きな姿勢を見せていた。
警察庁は、中井委員長が設置する研究会とは別に、外国の捜査手法や法制度も調査。また、可視化の一部実施で、取り調べ現場や捜査全体にどのような影響があったか、などについてまとめ、有識者研究会に報告するという。
委嘱された委員は次の通り。大沢真理・東京大教授(社会政策)▽岡田薫・元警察庁刑事局長▽久保正行・元警視庁捜査1課長▽小坂井久弁護士▽高井康行弁護士(元検事)▽竹之内明弁護士▽仲真紀子・北海道大教授(心理学)▽番敦子弁護士▽本田守弘弁護士(元検事)▽前田雅英・首都大学東京教授(刑事法)▽桝井成夫氏(ジャーナリスト)▽山室恵弁護士(元判事)。
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